すごい! 姫路城を23円で買った人がいるらしい。
まさか!?姫路城が売られていたなんて!
にわかに信じがたい話ですが、世界文化遺産にもなっている姫路城が以前競売に出されていたことがあるそうです。
しかもその時の落札金額が23円!なんでその時に教えてくれなかったのか!と言いたくなりますが、売られていたのは明治時代だそうです。
でもどうして姫路城が売られたんでしょう?
江戸幕府が倒れ新政府が発足すると、それまでとは異なり、大名の軍事要塞である城は無用の長物になっていきました。
全国のお城は新政府によってその存続を検討され、陸軍が施設として使えると認めた43のお城以外は取り壊されたんだそうです。
姫路城は存続となりましたが、老朽化が進んでおり修理費が莫大にかかることから、その後競売にかけられることになります。
そして、その競売の結果、
姫路市米田町の神戸清一郎氏が姫路城を落札しました。
その価格がなんと!23円50銭!!
23円50銭というのは現在の貨幣価値にしてもおよそ10万円ほど。10万円で姫路城が買えたなんてすごいですよね!!
えっ!?せっかくの権利を放棄した???
神戸氏は城の瓦や釘などを再使用するつもりだったそうですが、姫路城の瓦などは一般の家庭には大きすぎて使えないとわかり、結局姫路城の権利を放棄してしまったそうです。
たしかにこんな鯱(しゃちほこ)なんて自宅の屋根には上げられませんよね。
その後、明治7年に姫路城の敷地に陸軍歩兵十連帯が設置されることになり、姫路城の櫓や門などが取り壊され、大天守も取り壊されかけました。
築城以来、戦で使われることがなかった不戦の姫路城にとっては、建造以来の最大の危機です。
姫路城を救った英雄がいた!
そんなころ姫路城のすばらしさを後生に残すべきだと立ち上がったのが、当時陸軍省第四局長代理だった中村重遠大佐(なかむらしげとうたいさ)でした。
中村大佐は、陸軍卿(りくぐんきょう)(陸軍大臣)の山県有朋(やまがたありとも)に陸軍省の費用で姫路城を永久保存するための修理をすべきだと意見書を出しました。
この意見書のおかげで1879年(明治12)に姫路城の保存が決定したんだそうです。まさに姫路城の恩人ですね。
この中村大佐の働きをたたえ、「菱の門」をくぐって左手に中村大佐の碑が建てられています。