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ひと月に35日の雨
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林芙美子が小説「浮雲」で月に35日雨の降るところと記しているように、屋久島は非常に多くの降雨のある地域です。これは暖かい黒潮の本流に囲まれ、なおかつ高い山の多い屋久島では、近海からの水蒸気が山の斜面を上昇して雲となり多量の雨を降らせるからです。1999年の全国主要観測地点154カ所の内、屋久島が最多の降雨量となり、年間降水量が*6294.5mmを記録。これは過去最多の6174.5mm(1954年三重県尾鷲)を抜く記録です。
季節的には春先から梅雨にかけての降雨は多く、 夏や秋は台風が来なければ比較的降雨量も少なくなっていますが、1mm以上の降水がある日数は低地で年間170日もあり、2日に1度は雨が降ることになります。
*屋久島山中になると1万mmを超すといわれています。
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世界一の一枚岩?
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屋久島は花崗岩で出来た島です。
約1400万年前までは屋久島は存在していませんでした。しかしこの頃、地下十数kmの深さでマグマがゆっくりと冷え固まってできた岩石(花崗岩)が少しずつ浮き上がって来て、屋久島が出来ました。花崗岩の上昇は現在も続いており、屋久島が誕生してから今日までの間にゆっくりと隆起した島は、九州で最高峰の山々を小さな島に造り上げました。
屋久島はその大部分が花崗岩で形成されており、千尋の滝に見る巨大な花崗岩(400m×200m)からも推測出来るように、世界一の一枚岩があるのでは?という説もあるようです。
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屋久鹿、屋久猿
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屋久島に生息する鹿や猿は、日本鹿や日本猿の亜種で一般的な大きさよりも少し小型です。
屋久島ではよく「ヒト二万、サル二万、シカ二万」といわれ、多くの猿と鹿が生息しているように思えますが、実際には鹿は推定3000頭、猿は80から120群いるとされ全体で2500から3000頭と推定されています。
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ウミガメの産卵
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豊かな森から流れ出る水には栄養分がたっぷりと含まれ、その栄養分によって海藻やプランクトンが育ち、更にそれが様々な魚介類の餌となって、屋久島の豊かな海を作りあげています。
屋久島ではイルカやウミガメの姿もよく見られ、ウミガメは5月〜8月にかけて産卵のために上陸します。特に、減少しつつある*アカウミガメの上陸頭数は日本一で、日本における総上陸数の3分の1が屋久島に上陸しています。
黒潮にのって産卵のために毎年多くのウミガメが上屋久町永田の前浜と田舎浜、屋久町栗生の栗生浜とさごし浜などにやってきます。しかし10年前には約600頭訪れていたアカウミガメも近年は東南アジアでの定置網にひっかかってしまうため200頭ほどしかやって来ていません。
産卵は、約20分ほどでピンポン玉ほどの卵を50〜150個ほど産み落とし、それから2ヶ月ほどで卵が孵ります。生まれたウミガメは海面に反射した月明かりを目指して海へ帰り、また成長して生まれた浜に戻ってくる習性をもっています。
*アオウミガメも訪れますが、屋久島が北限のため数頭しか訪れません。
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